狂人日記

映画のある日常    【注意】映画のストーリー・結末などのネタバレを大量に含みます

Mr.ブルックス 完璧なる殺人鬼



ケヴィン・コスナーという人、昔の「フィールド・オブ・ドリームス」は猛烈に感動したが、どうもその後は嫌に説教臭いというか理屈ぽい気がして好きになれないのだが、まあこの作品では類型的なくらいわかりやすい二重人格の殺人鬼という役で、シリアスドラマとエンターテイメントのすれすれのところを狙っているようなのでそこそこ楽しめた。

主人公の別人格を違う俳優で表現するというのはそんなに珍しい手法というわけでもないが、ケヴィン・コスナーと同じく嫌みな感じが好きになれないが芸達者なことは確かなウィリアム・ハートが演じているので安心して観ていられる。よく考えたらデミ・ムーアも出ていたりするので、作品自体は完全にB級テイストでありながら実はもっと凄いところを狙っていたのかもしれない。

「ドラマとエンタのすれすれ」と書いたが、殺人依存症を自認し殺人に快感を覚える人間の内面心理を追ったという意味ではドラマとしてよくできているし、犯人がどういう手口でどう殺人を犯していくのか、あるいは彼の仕事に闖入してきた男との関係はどうなるかという点では、よくできたサスペンス映画のツボを押さえている。

しかし笑ってしまったのは、殺人鬼が殺人依存症を抑えるためにアルコール依存症のグループセラピーに参加するという場面である。グループセラピーとは同じ依存症や問題を抱える人間が集まって輪になって座り、告白しあったり手を取り合って祈ったりする向こうの映画ではやたらよく出てくるアレである。それにしてもアルコール依存症のセラピーで「私は依存症です」とか言ってる殺人鬼もないもんだ。もっとも殺人依存症のセラピーなんてどこを探してもないだろうから仕方ないのだろうけど。

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