狂人日記

映画のある日常    【注意】映画のストーリー・結末などのネタバレを大量に含みます

神様のパズル



三池崇史監督作品を初めて観たのが「極道恐怖大劇場 牛頭(ごず)」で、これは当時オリジナルビデオ作品ということを差し引いても箸にも棒にも引っかからないものだと思っていたが、その後「ゼブラーマン」「着信アリ」「妖怪大戦争」には完全に失望させられていたので、俺の中では三池崇史は何かの間違いで海外での評価がやたら高いが実はまともな映画の撮れないクズ監督という評価だった。ところがどうだろう、ここんとこ観ている三池崇史監督作品は「クローズZERO」といい「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」といい、そしてこの作品といい、結構面白いことを認めざるを得ないのである。

思うに三池崇史は、ごく普通の話をごく普通に撮る監督ではなく、突拍子もない話を突拍子もない画で撮らせてこそ生きる監督なのではあるまいか。そう考えてみると、原作世界がちゃんとあってある意味逸脱が許されない「クローズZERO」はともかく、完全に現実離れした「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」や青春映画のようでいて実は壮大なスケールのSFでありジャンルを問うならば間違いなく「マッドサイエンティストもの」であると答えたくなるこの作品においてはその突拍子なさが(素直に認めたくはないが)面白いのである。三池崇史は不思議な監督である。ようやく最近、コアなファンが多い理由が少しだけわかってきたような気がする。ま、作品が面白ければ俺はそれでいい。

ところで、思えば4年ほど前の一時期、映画館で映画を観るとその1本ごとに海賊版撲滅キャンペーンのフィルムを見せられたことがあった。「映画が盗まれている、感動が盗まれている」「私は観ない、私は買わない」というモノローグとともに少女が黒い涙を流す、それが水滴となって落ちるとそこに黒い髑髏が浮かび上がるというちょっと気持ち悪いフィルムだった。当時14歳でそのフィルムに出演していた少女こそ、この作品では主役にしてマッドサイエンティストを演じる谷村美月である。

よくぞ成長してくれたものだ。役柄としてファッションに無頓着な少女なので、ジャージか短パンでしか登場しないが、胸元の開いたシャツからのぞくふくらみはなかなかのものだった。特に強風で上着がはだけるキャットウォークのシーンでは形のいい巨乳がこぼれ出てきそうでドキドキさせられた。がしかし胸はともかくこれから成長株の女優であることは間違いないだろう。注目していなければ。

この作品の問題は、純粋に文系であり、高校時代には唯一赤点(単位不合格点)を取った科目が物理だという俺には、宇宙の始まりだの無の定義だのはもちろん物理学の初歩さえも全く理解できないということだ。実にもっともらしく宇宙の始まりに関する説明も出てくるが、現代の物理学というのは本当にああいうことを真剣に議論し研究しているのだろうか。無なんてそれこそ文学的に捉えれば何とでも言いようがあるし、宇宙だって聖書の神が無から有を創造したという説明で充分じゃん。とまあ理解できない僻みも込めて言っておくことにしよう。

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