奇跡のシンフォニー

天才子役として着々とそのキャリアを築いている感のあるフレディ・ハイモアくんだが、この作品ではとうとう先輩スターを完全に脇に追いやり、一枚看板の主役として観客の涙を搾り取っている。
しかしこの作品での彼の音楽的天才度には驚かされた。冒頭からしつこいくらい、自然の音や人間の人工音にも「音楽」を感じることができる、つまり絶対音感を持っていることを描いているが、そんな人間とはいえギターを初めて手にして誰にも教わらずにオープンチューニングを作りだし独特なスタイルの演奏方法で弾きこなしてしまうとか、音符を見たことすらなかったのに音の高低を表すことを教わっただけで長短やその他の記号の概念も含めて楽譜を書いてしまうとか、それこそプロにも演奏が難しいといわれるパイプオルガンもすぐに完璧に弾いてしまうだとか、あり得ない天才ぶりをいかんなく発揮している。俺もなまじギターくらいはわかるためそんなバカなとツッコミの連続だったが、考えてみれば凡人には思いつかない、到底できそうにないことをあっさりやってしまうからこそ天才なんだと気が付いた。まああのくらい常識を越えて凄くなければ天才とは言えないし、ジュリアードがすんなり彼を受け入れるわけもないのだろう。しかしそれにしても、ジュリアードというところは才能さえあれば氏や素性が知れなくても入れちゃうのか? というのは野暮なツッコミだけどやはりしないではいられなかった。
物語の展開は、まあお約束というかステレオタイプの域を出ず、そういう意味では少々退屈だったがやはりフレディ・ハイモアくんの熱演と、意外と歌えるジョナサン・リス=マイヤーズの好演もあってまあ一応の感動作ということにしておいてもいいだろう。
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